北海道に来て7年目で新規就農することになりました。簡単ですが就農するまでの道のりを書きます。
初めは中富良野の太田農園で4年間働いて数多くの事を学びました。この農業法人は、有機無農薬で全ての作物を作ってました。
※ここで同じ様に続けれれば簡単に独り立ち出来るのではないかと思います。
良くも悪くも有機農業の大変さを教えて頂きました。野菜は愛情や情熱が宿っているのか、人参なんかは特に美味しかったのを今でも覚えています。寧ろ夏頃から冬に雪の下に埋めるのにも使わせて貰っています。
札幌で行われてる新・農業人フェアで何回か栗山町のブースで話を聞き、町の振興公社と打ち合わせた結果一昨年に栗山町に研修生として引っ越してきました。
※ここで400万は貯金が有るのが望ましいと言われました。結果から言うと無かったです。ゴメンなさい。
正直この時手元にあったのは100万弱ぐらいでしょうか。よく就農まで漕ぎ着けれたなと自分でも思います。振り返って思いますが、約1年間程度の貯金が有る方が望ましいのは間違いないです。約200万ぐらいはあった方が間違いないです。
青年就農給付金貰えるタイミングが約半年ズレるので(4月から研修開始なら8月下旬ぐらいと翌年2月です)そこまでの貯蓄と資材少し買える貯金額が望ましいですね〜。
自分が就農する前提条件としてあったのは3つです。
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第三者継承、若しくはそれに限りなく近い形で就農する事でした。1から全部用意するのは一切考えてなかったので、結果として初年度から直ぐに営農が開始出来るのが最大の利点です。
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札幌近郊、自分のライフスタイル、更に自分がやりたい作物、やってみたかった作物なら尚良いかと思います。
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どんな規模であれ間違い無く手元にお金が残る経営(400万以上)
※法人で勤めていた時はジャガイモ(主に男爵、メークイン、北あかり)、玉ねぎ、人参、春小麦、秋小麦、南瓜、アスパラが主でした。
職場で働いて居た人達が皆一斉にイチゴを作っている農家に仕事に行き始めたのでコレは縁が有ると思いました。
寺島さんは主に夏イチゴで生計を立てていました。約農産売上で1000万程あるかないかで、➕補助金が300万ほど入る経営でした。
ですが内訳を聞いて驚きました。いちごは苗が一番経費がかかり(酷い時で150万ぐらい、1株約120円前後)、資材農薬は例年20万づつぐらいと仰ってて、これは凄いと思いました。ここで新規就農する人が気をつける事は地目です。地目が田んぼだと転作奨励金が当たります。
転作で田んぼの所に飼料作物の永年牧草を作業委託で任せていました。400万奨励金が入るけれど、作業委託で100万ほど払ってたりします。11月の下旬にドーーーーンとボーナスが入る経営でした。
土地の単価は一反(300坪)@19万✖️1287a=大凡2500万で、宅地や雑種地等その他諸々で約500万かかりました。
本当に感謝しても足りないぐらいです。ハウスや機械はこの中に含めてという条件にしてくれました。ここに関してはなんとも言えません。
二人の間柄や、懐事情等色々複雑な状況で左右されると思います。なのでかかったのは以上です。
農地に関しては保有合理化事業で10年間はリース契約で10年後に耳を揃えて2500万返しなさいよ‼︎と言う契約を道公社と交わしました。
農地に関しては営農計画者や5年、10年の計画者等を書きやっと認めて貰え、書類だけで一銭も出してません。笑
手出しは宅地等非農地だけで、それについては運良く兄弟に借りる事が出来ました。
※身内からの借金は自己資金扱いになるそうです。
この契約を交わしたのが実質的に就農する事になった4月で、非農地は3月に売買しました。晴れて新規就農です。
この経験から感じた事は当初自分の考えていた理想の形で就農出来た事が成功に、新規就農する事が出来た事じゃないでしょうか。
まずゴールを決めてそこから逆算して行けたのが良かったです。就農さえしてしまえば作りたい物、チャレンジしていけばいいんじゃないんでしょうか。夢と現実はキッパリ分けた方がいいと思います。初期投資は非常に多いですが、(ここ重要)新規就農されて大半の方が仰られている事は初年度しか資金が借りられないよと言う事です。実績が赤字だと全然貸し出し降りないそうです。だから初年度にドカッと借りるんです。例え使わなくてもキャッシュとして持っていれば最悪の時は凌げます。ここ非常に苦労する可能性があるので特に注意が必要です。
※俺なんて貯金10万ぐらいまで金尽きかけました。笑
更にクミ勘(北海道限定)は3年間の実績がないとできませんでした。クミ勘で行けると思っていた人は気をつけましょう。貯金決済のみです。コレは非常に痛いです。収入あるまで只管にマイナスです。資材、生活費等現金収入が春に素早く入る作物、若しくはそこまで蓄えがある事が特に大事です。
いちごは前年秋に定植し、早ければGWから出荷が出来ます。自分はそうする為に2月にハウスを二重で張り雪と格闘しながらなんとかGWから出荷を順次始め、6月の今、多少潤沢になりそういう不安からは解放されました。
以上ざっとですが、就農するまでの流れ、要注意点を書いたつもりです。まだまだ書けてない事もあるかもしれませんがそれについては直接話を聞きに来てください。多少は力になれると思います。同じ新規就農を志す仲間として応援しております。
おがファーム 小川 晃寛