温度によるイチゴの葉の光合成の最適温度は20~23℃、適温域は15.4℃~27.4℃である。昼間の気温はこの光合成の最適温度を目標にして管理する事が大事です。
光合成が一番盛んに行われている時間帯をご存知でしょうか?
答えは午前中です。午前中光合成速度は高く、午後からはどんどん低下していきます。水ポテンシャルの低下による気孔開度の低下が影響していると考えらているそうです。
一部の文献によると同じ光強度でも、午前中は午後よりも光合成速度が速く、1日の光合成量の60%は午前中に生産される。と記載されておりました。午前中の光合成によって蓄えれれた糖やデンプンが午後からの光合成を阻害しているので、午後から若干光合成が落ちるようです。転流が行われる時間がおおよそ・・・
16:00~20:30 光合成で作られた養分はこの時間帯で転流されます。
※転流とは・・・篩管を通して他の部分に運ばれて行く事です。例えば収穫期の作物(イチゴ)が光合成によって生産する糖分(炭水化物)は果実への転流だけではなく植物体全体に転流して行きます。その糖の配分率は茎葉に約30%、果実に約40%、根部に約30%位です。
日照不足になると果実や茎葉、根部への転流する養分の量が少なくなって、その中でも特に根部に対しての養分の転流が不足してしまいます。天気の良い時でも根部への養分の転流は、収穫果実の抱えている植物の生理状態の場合は常に後回し。尚更日照不足になると、根への養分の転流が後回しとなって根が弱ってきます。この現象が根の老化なのかも知れませんね。
イチゴの温度管理
イチゴの生育ステージ |
限界最高温度 |
適温 |
限界最高温度 |
花芽の発達~開花 |
10~13℃ |
15~25℃ |
28℃ |
開花~受精 |
0 |
15~25 |
35 |
開花~果実の成熟 |
10~13 |
15~25 |
28 |
果実の肥大 昼温 夜温 |
10~13 5~8 |
18~25 8~10 |
35 16 |
果実の熟成 |
10 |
15~20 |
30 |
そうなるとどーなるか?
農家の皆さんが良く語る一言 「成り疲れ」 という症状になり、イチゴは生長点から葉水が見かけなくなります。。
※日照と物質生産 より一部参照
イチゴの場合、照度が増えても光合成の速度が変わらない光飽和点の照度は、40klxとされている。この照度は、わが国の太平洋沿岸地域の場合、冬至を過ぎた1月頃の晴天日で、最も太陽が高い位置にある時の水平照度に相当する。冬至の頃の照度はこれより少なく、南中照度で約30klxである。イチゴは施設栽培されているので、外部被覆資材と骨材によって、日射量が70~80%低下する。また、内張りカーテンを日中も被覆している場合は、さらに70~80%低下する。これを計算式で示すと、次のようになる。
30(klx)×0.7=21(klx)
…骨材と外部被覆資材のみ被覆
30(klx)×0.7×0.7=14.7(klx)
…骨材と外部被覆資材、及びカーテン被覆
被覆資材と骨材によって、その照度は21klxに低下する。この照度は光合成が最も効率的に行われる照度40klxの約半分である。これは、日中最も光が強い時のもので、朝夕はもっと少ない。わが国においては、イチゴの促成栽培で最も重要な頂花房の出蕾、開花、結実、成熟の時期である冬期に、生長の基本となる光合成のための光環境が、劣悪な状況であることがわかります。
光合成とCO2濃度の切っても切れない関係・・・北海道でも早期に採ろうと思ったらどうしてもハウスを閉め切る事が多いと思います。午前中の光合成が活発に行われている時に足らなくなるだろうCO2を補ってあげる装置の導入すべきだと考えます。詳しくはこちら 炭酸ガス発生器はこちら ネポン株式会社より
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